SMX West 2014でのアミット・シンガル氏と
ダニー・サリバン氏の基調講演がSELに掲載されていました。
http://searchengineland.com/googles-amit-singhal-smx-west-2014-186266
特にSEO関係者・ウェブサイト管理者に関係ある内容を整理し、解説を付けました。
モバイル化への対応とバックリンク提供用スパム対策への積極的な姿勢が特に印象に残りました。
ユーザー視点に立った合理的な判断であり、進行が待ち遠しいです。
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1.ハミングバードについて
発言内容:
ハミングバードは検索システムの抜本的な改善。
特に話し言葉でのクエリ(例:「グーグルって何?」)・長いクエリ(例:「赤くてセンスのいい小さ目の服」)など、モバイルデバイス向けのクエリへの対応を重視している。
コメント:
DSは”車のエンジン(=googleの理念)だけを取り出して、(シャシーやタイヤなど)他の部品(=検索システム)をすべて入れ替えたのと同じ”と述べています。
主眼としているのはモバイルデバイスの普及によるインターネット利用の普及・簡便化。
片手打ちや音声入力でクエリが発信されることが増えるというミクロな視点をしっかり汲み取っています。
それに対応するために、以下のような動きが始まっています。
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2、モバイル化への対応
発言内容:
今後五年で携帯端末のさらなる小型化と普及が進み、利用者が5億人は増加するだろう。それにGoogleは最適な対応をしていく。
”オバマ”というクエリに単純な検索結果を返すだけでは足りない。これで検索する人は、大抵”バラク・オバマ大統領についての情報”を知りたいと思っている。
ナレッジグラフはそれへの一つの回答。
コメント:
ユーザーができるだけ簡単に知りたい情報に到達できるようにする。そのためにできる限りクエリから情報までの距離を縮める取り組みの一環です。
Googleが最終的に目指しているのは「Googleに聞けばいつでもどこでも何でも解決する」という最高の相談相手になることでしょう。
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3、ランキングを決定する各要素
発言内容:
A.リンクは重要なランキング要素。ただし、それに対して批判的な見地から修正し、評価を下す。
B.ソーシャル要素は、現時点では反映させていない。またソーシャル要素を望まないユーザーもいる、ということを考慮している。
C.著者の信頼性は現時点では反映させていないが、やがて反映されるだろう。
コメント:
「ユーザーが喜ぶ情報を届ける」というGoogleの目的に沿った、極めて合理的な判断です。
同時にホワイトハットのみが生き残れる時代が近いことを知らせる、ブラックの方々には深刻な警告でもあります。
A,
あなたの提供してるサイト、自分で読みたいと思えますか?
「ユーザーの役に立つ」情報のみが生き残ることになります。
Googleは以前バックリンクを評価しない検索システムを実験し、結果的にバックリンクを考慮しないと検索結果も悪化するという結論を下しています。
(https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=NCY30WhI2og)
実験で検証されている以上、リンクは今後も重要な評価指針になるでしょう。
但し、単純にバックリンクが多ければいいということではありません。
嘗てのスパムブログのように、リンク数の増大のみを目的としたあらゆる手法は、遅かれ早かれ駆逐されることは確実です。
SEO関係者・ウェブサイト管理者の皆様なら思い当たる方が多いのではないでしょうか。
B,
「ソーシャルな情報」を、ユーザーは欲しがっていますか?
何でもかんでも「ソーシャル重視」してはいけない。
現時点ではソーシャル要素を反映させていないものの、わざわざ"right now"と断っていたりUniversalAnalyticsでソーシャルへの対応を意図していたり、と適切な形で反映されていく可能性が高いかと。
昨年の"You&A With Matt Cutts" と一見矛盾するようですが、”適切な形で”というのが意識すべき点です。
ソーシャルなシグナルをノイズを取り除いて汲み上げられればそれは重要な要素になりうるし、またそうしようという意思が感じられます。
また、今後ソーシャルの反映が実装されたとしても、全部が全部ソーシャル対応だ!と息巻くのも考え物かと
クエリによってはソーシャルな反応が不要なものもあります。
「ソーシャルへの対応」は聞こえのいい言葉ですが、その前に考えてみましょう。
「ソーシャルな情報」を、ユーザーは欲しがっていますか?
C,
役に立つコンテンツを顕名で発表しよう
ユーザーが信頼のおける情報を欲しがっている場合、情報源の信頼性はユーザーに大きく役立つ情報です。
将来を見据えるなら、役立つ情報を顕名で発信しましょう。
自分のためでなく、将来のユーザーのために。