2015年4月19日日曜日

「Improve the search presence of ~」って何

4月21日の俗称モバイルゲドンも近い中、モバイルとか一切関係ないお話を少々。

ウェブマスターツールに登録してしばらくすると、「Improve the search presence of ~」ってメッセージますよね。こんなやつ。


Google先生からの「こんな事するといいかもね!」というちょっとした親切心なのですが、なぜか一向に和訳されなかったりサイト管理者側から見た効能が今ひとつわからなかったりでちょくちょく混乱を招いているようで。
フォーラムでも「このエラーにどう対処すれば」とか「いちゃもんつけるな!!!!」とか悲しい誤解を目にします。
なんでメッセージの意味とちょっとしたFAQなど。

Q: このメッセージなんなの
A: Googleからの「ウェブマスターツールでこんなことするといいことあるかも」という心遣い。

Q: 書かれてること全部やらないといけないの?
A: そんなことはないです。効能がある場合にやるといいよ。
個人的には1・2は必要、ほかはサイトによって必要だったりそうじゃなかったり。

Q: じゃあどれやればいいの
A: 以下の訳に効能書き付けといたから、参考にしてね。

---------------てなわけで訳-------------
ウェブマスターツールにサイト登録してくれてありがとうね。
以下の5つのことをすると、いいことあるかも。

① Add your all website versions
■訳:
あなたのサイトがexample.comの場合、www.example.comもウェブマスターツールに登録しようね。
もしHTTPS化してるなら、https://example.comとhttps://www.example.comもね。

■気にしたほうがいい人:
みんな。HTTP化してる場合は特に。

■効能:
分析がしやすくなる+②の布石。
Google的には上記4つは別サイト扱いになります。
なんで4つ(HTTPS使わないなら2つ)登録すると、Google検索からちゃんとメインのバージョンに流入してるかとか判断できます。
特にHTTPS化した場合大事。せっかく証明書買って安全なサイトにしたのに、GoogleにHTTPS版があることが伝わってなかった!みたいなエラーを発見できます。

② Select your preferred version
■訳:
Google検索結果にexample.comとwww.example.comのどっちを出したいのか教えてね。

■気にしたほうがいい人:
みんな。HTTP化してる場合は特に。

■効能:
Google検索結果に出すバージョンを選べます。結構大事。
名刺やら会社案内やらにサイトのURL乗せる時、www有り無しのURLを併記するとかまずないですよね。

例えば名刺にexample.comのほうを乗せたとしましょう。
で、名刺もらった人が帰ってからサイト名で検索すると。
この設定してない場合、www.example.comが検索に表示されます。
ちょっと細かいところに気づく人だと、「URL違う!怪しい!」って訪問しなかったり、「名刺で印刷ミスとかないわー」と思われたりしするかも。

③  Select target country
■訳:
サイトが特定の国を対象にしてるようなら教えてね。

■気にしたほうがいい人:
以下の全部を満たす場合。
① 使ってるドメインがここに載ってる。
② 使ってるプロバイダと対象国が違う場合。
   「国内のプロバイダで外国向けサイトやってます」とか。 

■効能:
日本向けのサイトだよ!とGoogleに教えることでじゃあ日本向けに表示してあげよう、と扱ってくれるようになります。
Googleでは.jpみたいなccTLD(国名に紐づいたドメイン)やコンテンツに使われてる言語やらでサイトが対象にしてる国を判断してくれるのですが、そういったヒントが少ない場合にはこれをやっておくと有効。

この設定については重要な注意点が2点。
① ccTLD(ここに載ってるgccTLD以外のやつ)使ってるとこの設定できません。
「.jpドメイン使ってアメリカ向けのサイトやってます!」とか言ってもGoogleは「.jpにあるんだから日本向けのサイトでしょ?」って扱いになります。
海外のドメインを語呂目的で使う時とか気をつけてください。
「toriaezubi-ru.de」とか「deke.ee」とか。それぞれデンマーク・エストニア向けになるんでたぶん語呂は伝わらないです。

② 対象国を設定すると「他の国は対象にしていない」的な扱いにされるかも
「コンテンツがフランス語で、複数の国や地域の人に興味を持ってもらえる内容であれば、地域を限定しないことをおすすめします。」
「たとえばフランス語のサイトをフランス、カナダ、マリのユーザーに読んでもらいたい場合は、このツールを使用してフランスを地域ターゲットに設定しないようにしてください。」
特に注意したいのが英語。
米国にターゲティングすると、イギリスとかカナダからの流入に影響するかも。

④ Share access with co-workers
■訳:
ウェブマスターツールをみたりいじったりする権限を、他の人と共有できるよ。

■気にしたほうがいい人:
サイトの運営・管理・分析などなどに他の人を使ってる場合。
一人で運営するなら気にしない。

■効能:
情報共有することで、サイトの運営がよりいい方向に行くかも。
Googleの順位とかにはまったく関係ない、サイト管理サイドへのサービスです。
SEOの人にエラー対応してもらったり、アプリ開発者がアプリの利用状況分析して改善案立てたりとかするといいよ。権限設定は慎重に。

⑤ Submit a sitemap file
■訳:
サイトマップを提出すると、Googleのクロールが楽になるよ。

■気にしたほうがいい人:
・大きいサイト
・Googleに早く見にきてほしいサイト

■効能:
Googleがサイト内のページを早く・正確に見つけてくれるようになります。取りこぼしがへるよ。
Googleのクロールって、見知らぬ駅に送り出されて「この駅一帯のお店調べてきてね」ってお仕事をさせられてます。
そんな時に当てもなく道(リンク)を辿るのがクローラ君のお仕事。遠回りすることもあるし、見逃しちゃうお店(ページ)もあります。
そんなときに地図(サイトマップ)があれば、見落としもなくなるし効率のいい巡回ルートを探すこともできます。
てなわけで、できれば提出してあげてね。CMSとかプラグインとかで自動化もできるし。

(Not sure how to ~以下)
もし上の奴で判らないことがあったら、ヘルプ見たりフォーラムで聞いたりしてね。
---------------訳終わり-------------

こんな感じのGoogle先生の親切心なので、謎の英語メッセージが来ても怒らないであげてね。


(おまけ)
4・21直前にしれっと発表されたApp Indexing優遇策
みんながランキングシグナル!大ニュース!って騒いでる最中のGaryさん(Googleのすごいひと)のツイート

「Daily Mail Onlineのアプリで紅茶の入れ方とかわかるのかよ!知らなかったぜ!」
驚くところそこかよ!Garyさんは自由だ…